時代は変わり...

 日大フェニックス(アメフト部)のルール破りの危険なタックル問題は、ドンドン大問題に発展してしまっています。
 日大側の危機管理の仕方のマズさが、より一層問題を大きくしていることは明白ですが、アメフトの試合と言う衆人環視の環境下ではある出来事がこれほどまでに断片的ではあるとは言え多くの映像として事実が残される時代になったことは驚きです。特にアメフトと言う競技が組織的フォーメーションや戦術を重視するスポーツで、チーム自らが多くの動画を試合後の分析などのために残していたことも重要な不正の発見と立証の要素であったことはいうまでもありません。また、観客のスマホなども過去には期待できなかった鮮明な記録を残すことが可能となっています。さらに、SNSを中心とした新しい情報発信ツールが一瞬の不正を一気に拡散し、クローズアップする力を有することも今のこの高度なスマホ社会の上に立脚しています。
 危機管理において、事実を隠す(隠蔽する)あるいは歪曲させることが最もしてはいけない、また、問題を過度に大きくすることをまざまざと示しました。不祥事の終息方法として、「トカゲの尻尾切り」のような安易な方法は、後から後から明らかにされる多角的事実やSNSなどから発信される大衆の圧力に抗えないということでしょうか。ましてや、ここにマスコミが追い打ちをかけ、バックグラウンドや組織・体制など直接関係がないと思われる不正ではないが不自然かつ公正でない事実を見つけてくるのですから。今回は、日大の経営体制やその硬直化し旧態然とした権力集中の構図まで暴いてしまいました。相撲、女子レスリング、女子バトミントンとパワハラ系の不祥事やスキャンダルが続き、その視点でマスコミが追求するのかと思いきや、日大のガバナンスに焦点を向けられるとは、日大関係者、特に経営幹部は思ってもいなかったでしょう。しかし、この点より、スポーツでの指導者と選手、アマチュアスポーツにおける名声、権力、お金の問題をしっかり追いかけ、健全な学生スポーツそのものの在り方、最新のスポーツ指導への大変革などを若者を正しく守り、その上で輝かせるためにもっと議論を深め、必要なバックアップ体制や規律を再構築してもらいたいものです。
 私の世代からすると日大のガバナンスは、巨大組織の強力な運営方法としては、民主性や柔軟性は大きく欠如しているもののマスコミが大騒ぎして幹部の責任を厳しく追求するほど、「悪」ではないように思う部分もあり、その時代時代に即した方法で日大発展に尽くした功労を全否定するのは如何なものとの思いも...、少しの同情の気持ちが湧き上がるのは時代錯誤なのでしょうか?

2018年06月06日