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大阪選手優勝の陰に明確な強化計画と実行あり!!

 大坂なおみさん、全豪オープン優勝&世界ランキング1位、おめでとう!!
 2019年1月26日、大坂なおみさんが、全豪オープンを制し、昨年9月9日の全米オープンに続きグランドスラム大会を連勝しました。本当にあっぱれ!!です。おめでとうございます。

 全米オープン制覇後、他の選手に研究され、また、スポンサーやマスコミ対応の忙しさの中、わずか4ヶ月をオフを含め素晴らしい過ごし方で、より強く、素早く、逞しくなって、ここ2年ほど群雄割拠の女子ツアーでは誰も成し得なかったグランドスラム二連勝を達成しました。
 報道によれば、フットワーク(特にスピード)と体幹の強化を目指し、オフには相当な走込みやメディシングボールを用いた体幹トレーニングなど、ボールを打たない体の強化を行い、その結果、フットワークはもちろんのこと、ストローク中でも強いボールが打てるようになったとのこと。また、これに合わせて、ラケットも最適化して、より固いストリングスでボールのスピン量が増え、強くて深いストロークも獲得したようです。
 弱点と言われていたメンタル面ももちろん進化し、全豪オープンでは勝ち上がる毎にステップアップしていったように見受けられました。自身も「この舞台で戦えることがすでに素晴らしいことなので、悲観しない」との考え方で、ネガティブな気持ちをコントロールしたと語っていました。しかし、さすがに決勝戦の第2セットを逆転で失った直後は応援する側も「ヤバい」と思い、最終セットを固唾をのんで見守りましたが、杞憂に終わり最後の歓喜を迎えることが出来ました。今回の勝利できっと強靭なメンタルも手に入れたと期待したいものです。

 最近のビジネスシーンでは、わずかな期間の油断が企業の命運を分ける、つまりは市場の変化がとても早い、例えば、消費や技術動向、政治や国際情勢、為替や景気動向なども短期間で激烈に変化し、その対応を誤ると成長や安定のシナリオは昔では考えられないようなスピードで一気に崩れる時代となっています。しかし、大坂なおみ選手およびチームの皆さんの強化計画は見事と言う他なく、次の成長に向けた確実な戦略で結果を出しています。この短期間で素晴らしい成果に辿り着いたことは、大坂なおみ選手の素質や潜在能力を負うところは大きいと思いますが、計画と実施の見事さに注目すべきで、ビジネスでも見習うべき点を多く見つけることが出来ます。
 さらに大坂なおまさんの個性が光り、認められた側面もありますが、多くのファンが応援する、応援したい気持ちとなったことも、躍進する力の一助となったことでしょう。反面、崩れていく場合、その一因は、SNSなどによるネガティブな情報の拡散スピードの加速も忘れてはなりません。
ビジネスにおいても、ファンは重要で「移り気な消費者」を如何にして惹きつけ続けるかは、情報量が莫大に増加した現在、とても難しい課題です。呆れるほどのスピードで新しい工夫を凝らした製品、広告が溢れる今、単に誠実なだけでは持ち堪えることが困難です。
 ビジネスにおいて、消費者、市場(マーケット)、ユーザーや購入企業、ステイクホルダーとどのような対話や会話、情報発信を続けて行くかが問われていると思います。もちろん革新的で魅力ある製品、世の中を楽しく便利にする製品を提供し続けることは重要ですが、知らしめ続けることが大きくビジネスの勝敗を決する時代となっているのではないでしょうか?

 Sansanの「それを早く言ってよ〜ぅ」やベンフェイスの「営業はヒラメ筋、ではなくこれからはデスクで営業する時代」は正に過渡期を先端的な考え方が揶揄するCMですが、あっと言う間にそれが当たり前の時代がやってきそうです。

 最後に大阪選手の勝利の要因に戻りますが、スピードに拘らずコースを突いたファースト・サービス、相手のセカンド・サービスに対する超攻撃的なレシーブなど戦術面での進化も忘れることは出来ず、これもビジネスも同様、大きな戦略と綿密な戦術が勝利の両輪と言うことでしょうか..,

2019年01月28日

サブスクリプションが次世代ビジネスモデルの本命か?

 消費などの動向が大きく変化し、所有することの価値観、つまりは喜びや優越感が総じて小さくなっていっているような時代となってきました。所有することの最大の目的はその機能を使用することによって、便利、効率、流行、満足感、ひいては優越感を得ることでありました。しかし、時代が大枚を一時に支払わなくてもリユース、シェアリング、一部はマッチングなどで、それを満たしてくれるインフラがインターネットの大衆化により整備し始めて大きな変革が起きてきました。
 そんな中、完成品の製造メーカーは、ものが売れない未来を予想し、一部のITを駆使したマッチングやシェアリング・ビジネス企業に売上と利益を奪われる時代となっていくことを真剣に危惧し出し、製品の製造メーカー自身がシェアリングやサブスクリプション(※)・ビジネスに取組み始めました。
 この動きは、最終的にはC to CビジネスだけでなくB to Bビジネスにも広がり、IT設備、産業・生産設備にまで及んでいくものと思われます。これからの時代の新しいビジネスモデルとして、マッチング、シェアリング、サブスクリプションと進んで行くことは、疑う余地が非常に小さくなってきており、サブスクリプション・ビジネスを製造メーカー自身が始めることは、IT系企業から売上と利益を奪還する戦略の流れでもあると思われます。

 特に自動車産業ではその流れは環境対応などの社会的要求もあり他の産業分野より大幅に急速で、劇的な技術革新を伴う大変革が始まっています。ダイムラーが10年も前から、「car2go(カーツーゴー)」と言うカーシェアリングサービスを展開していたことは大きな驚きでしたが、欧州を中心にすで「世界中で8,500台が利用され、400,000人以上の会員数を誇る」サービスへと成長しているそうで、緩やかだった流れの急激な変化は驚くばかりです。自動車が所有するものから移動する手段として機能を適宜購入・使用するサービス、つまりはシェアリングやサブスクリプションへと転換していくことが容易に想像できますし、その先にはモビリティー・サービスと言う新しい産業形態(インフラに近いもの)が形成されそうな勢いです。この傾向が進んでいくドライビングを楽しむ趣味的な行動を除く一般的な車は完全に移動する手段としての機能を求めるものとなり、所有する車の台数はシェアリングなどにより大幅に減少すると多くの経済アナリストなどが予想されていますので、モビリティー・サービスと言う新産業形態まで発展させることが自動車産業の将来の生命線とも言えるかもしれません。巨艦トヨタでさえ、この流れに対応するための試験的試みとして、2019年からサブスクリプションによる高級車の提供を始めることを発表しました。

 しかし、自動車メーカーは、このシェアリングの普及に留まらず、さらにEV化と他のふたつの100年に一度と言われる大きな技術革新への対応も迫られており、前述のふたつに接続性、自動運転を加えたCASE(接続性:Connected、自動運転:Autonomous、共有:Shared、電動化:Electric)と言われる大きな4テーマへの取組みが加速しています。機械と制御技術の自動車産業が、IT、IoTを取込んだ産業構造へ大変革し、主役をIT系企業に渡さぬように多額の投資、M&Aで急速な対応強化を目指しています。そんな中、トヨタがソフトバンクに従来では考えられなかったソフトバンクに提携を持ちかけるなどと言うことが起きました。20年前には車のIT化提案を持込んだ孫社長をトヨタが断ったことからすると、まさに隔世の感です。

 日本にとって現在もっとも競争力のある産業である自動車産業が、過去の鉄鋼、造船、半導体などのように凋落の憂き目に遭わず、この大変革の大波を乗り切ってくれることを望まずにはいられません。また、その先には日本の車載用半導体・電子部品・センサー、自動車用軽量材料・素材、AIなどの先端技術関連企業の再興が期待されるのですから。


※ サブスクリプション
古くは書籍の定期購読などを指す言葉でしたが、現在はソフトウェアの期間定額制でMicrosoftのOffice 365、AdobeのAdobe creative cloud、AppleのiCloudなどで普及していますが、いよいよもの(製品:服、アクセサリー、車、機械など)の機能の使用権を借り、期間に応じて料金を払うと言う形に進化してきています。正確には「借りる」「買う」などとは異なる新しい概念ですが、「使用権を借りる」と言う感じが昭和の人間にはしっくりきますが...。

2018年11月07日

人生100年時代と言うけれど...

 先日、樹木希林さんが逝きました。ご本人がだいぶん前に「全身がん」と公表しておられましたが、その後も精力的にお仕事をこなしておられたので、驚かされました。
 その後、いろいろな報道があり、NHKの直前までの密着「”樹木希林”を生きる」を観て、多くを知ることになりました。女性の平均寿命が90歳に迫る今、75歳で亡くなられたので早過ぎる感もありますが、“がんと共に生きる”限定した治療で示された生涯現役の姿や生きることへの向き合い方に感銘を受けました。過度な医療で命を繋ぐのではなく、QOL(Quality of life)と”生きる"を使い切ることに潔く取り組み、淡々と最後まで自分(樹木希林)を貫いて、生き様の爪痕を多くの人々の心に残され、心と記憶に残る人であったと思います。
 ちょっと見は淡々とマイペースで突き放すようなもの言いの樹木希林さんが、成人式のゲストとして参加した際に新成人ひとりひとりに渡された手紙には、強く生き抜いた人生の示唆と未来を担う若者への愛情が溢れていて、それを頂いた若者たちを心から羨ましく思いました。
その上、毛筆で書かれたその手紙の文字、書体、あるものには自分の顔の絵があり、それがまた美しく、温かいのですから…
 また、密着取材の中で樹木希林さんが「肉体は現世の借り物。生きてる間に使い切らなきゃ。」と言うようなことを仰っていました。日本人の死生観とちょっと異なる考えで、このようなところも最期の潔さ、逞しさに繋がっているのでは、と感じました。LGBT先進国のタイでは仏教観から「肉体は現世の借り物で、中身に入る精神が男でも女でも関係がない」とも思われていると聞きましたが、そんな宗教観と少し似ているのかもしれません。そんなタイは、いよいよ同性婚などを認める法改正を年内に行うようです。
 樹木希林さんが、輪廻転生し、また個性的な女優として、素敵で逞しく温かな感性をもう一度みせてくれることを期待するのは私でけではないかもしれません。

 この原稿を書き上げた頃、樹木希林さんの告別式の様子が報道され、娘・也哉子さんや娘婿・本木雅弘さんの挨拶やコメントから、規格外のご夫婦であった樹木希林さんと内田裕也さんの本当に予想外の純愛物語を知るに至り、もう一度驚かされることになりました。

2018年10月02日

区別と差別

 LGBTに関する論文の寄稿やその後の対応で自主的ではあるものの新潮45が休刊に追い込まれました。
 精神医学などの進歩により、肉体的性別と精神的性別が異なる人々が先天的にいるのことが分かり、また、愛情の形も多様化していることから、世の中はLGBTの人々を差別しない、権利を保護する、との方向に向かっています。しかし、精神的な部分の多くは後天的な親子、家族関係や教育で醸成される部分も多く、多くの批難を浴びた「性癖あるいは性的嗜好」と言われる部分も一方的に否定することはできないと思えてきます。新潮45の中では、過激な文言で比喩されていましたが、すべて人々のすべて嗜好を弱者保護の立場で受け入れることはとても困難であることは間違いありません。ただし、家族として支え合って生きているのに、病院の処置の承諾や付き添いなどの保護者、代理人としての権利、婚姻できないために法定相続権がない(ただし、これは遺言書をお互いに作成すれば済むこと)など、新しい家族の形態として社会的に認める必要がある部分もあります。
 確かにLGBTの先駆者が芸能、ファッションなどの分野でその特質を存分に発揮して活躍され、社会的地位を築き、多様性としての存在感を示していますが、過度に肩入れする必要もないように思います。お金のため、嗜好のひとつ、ファッションとしてLGBTである人々とそれでしか生きられない人々は差別ではなく、区別して新しい家族関係を支援できればいいのではと思います。

 女性の社会進出に関しても、前のめり過ぎの印象を持つのはすでに古い考え方なのでしょうか。例えば、古い日本的な父系家族も女性の平等、社会進出を促進する阻害要因のように言われることも多くなってきていますが、これができていたことで、母子関係の絆を強め、奇跡的な戦後復興が可能となった一因と思えます。現在の女性の社会進出要請は、日本の労働力人口減少対策と国家活力維持が主因で、本当に豊かな国民生活の構築とは少し違うところに向かっているような気がします。家族でひとりだけが働いて充分な収入が得られれば、夫婦共働きを望む比率はそれほど高くないでしょう。
 区別や分業であったものを悪役「差別」に塗り替えて論じないようにすることも、多様性社会になればなるほど必要な分別と思えます。女性の社会進出については女性社長比率、女性政治家比率など、よく世界各国の順位付けなどで語られますが、すべてを横並びでみるだけでなく、固有の文化的背景など歴史的価値観と今後の社会構造などをもっと科学的かつ統計的にみて論じる必要がありそうです。
 少し極端な例ですが、サウジアラビアが女性に運転免許を解放したことは、歴史的、宗教的慣習を超えて脱石油後の国家運営への女性労働力の戦力化を見据えた改革で、国家としてのグランドデザインを感じることができます。もちろんサウジアラビアは、それ以外にも、新技術への大型投資ファンドの設立、太陽光発電事業での海外との提携など次々と施策も将来に向けた施策を行っていることは周知の通りです。

2018年10月02日

リーダーと組織

 女子レスリング、アメリカンフットボール、今度はボクシングとアマチュアスポーツで、いろいろな問題が起きています。正確には起きていたことが暴かれると言う方が適切かもしれません。そこには、アマチュア・スポーツが大きく変わってきた(お金になる事業になってきた)ことはもちろんですが、弱く小さな組織が成長し大きくなり成熟していく過程の問題点としてベンチャー企業の場合と同じように現れていると思います。
 弱小組織が優秀な人材や資金を集めて力強く成長を始めるためには、明確で正しいビジョンとそれを牽引する情熱が必要ですが、その中心にはやはり強いリーダーシップを持つ中心人物とそれを支持して同じベクトルで力を合わせる仲間が不可欠です。特に中心人物(リーダー)には、資金を集める能力と外部協力者を開拓する能力が求められ、それを仲間が活用して組織基盤を強固にしていき、成果を上げていく訳です。この過程では、どうしても中央集権的な組織構造となり、リーダーひとりに権力と利権が集中し、側近の仲間がそれに与かる形となり易く、どうしても公平・公正な組織ルールや監査・牽制体制の構築は後回しとなってしまいます。この点において、マイナー・スポーツの連盟などの組織とベンチャー企業にほとんど違いはありません。また、成功に向かい大きな成果が得られるまでは、集中する権力も利権もありませんので、問題は発生しない訳です。有名ベンチャー企業でも、パワー・ハラスメントなどで創業社長が退く例も多く見受けられますが、企業の方がある程度の成長を遂げた後の内外からの監視は厳しいように思います。
 日本においては、親分子分や師弟関係を美化するような傾向が強いように思われますが、価値観が大きく多様化している今ではすでに古くなってしまった考え方と感じます。成果は成し遂げた人自身のものであり、親や師はオーディエンスと同様に素直に祝福する側にまわる時代かと...
 ふっと「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言う言葉を思い出し、主張することも必要とされる昨今のビジネス環境の基、なかなか難しいことですが古き良き日本流の誠実な美学の復活を願う気持ちも湧いてきます。

2018年08月03日
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