新たなゴールド・ラッシュ?

 仮想通貨やネットを用いた新しい職業や業種が本格的に社会に浸透し出してきました。まさに、IT技術をベースにした新たなゴールド・ラッシュの様相です。
 代表的な仮想通貨のビットコインは今年1年間で20倍に高騰し先物市場も開設されましたが、数回に渡る分裂、たった1日で39%の下落などまだまだ不安定な状況も見え隠れしています。ベンチャー企業が資金調達で多く用いるようになったICO(Initial Coin Offering)も一種の仮想通貨のようなものです。共に従来の通貨が国家や国家共同体がその価値を担保するのに対し、ユーザーの期待と需要、根幹にあるIT技術がその価値を支えている点がユニークです。技術の中では特に、「ブロックチェーン(公開分散元帳)」が金融取引などに重要な要素技術として注目されています。しかし、ユーザーの気持ちの移ろい易さ、スーパーコンピュータや量子コンピュータの進歩によりマイニング(採掘)が高速化され仮想通貨の流通量が莫大に増加した場合などのリスクが心配されます。
 また、インターネット、ITを活用して個人と個人がSNS、マッチング・サイトなどで容易に繋がることが可能となり、個人が意外な報酬を得られるようになってきました。少し古くはブロガー、今人気のYouTuber、最先端は17ライバーなど、ファンの視聴数による広告収入が主流と思っていたら、ファンの「投げ銭」が直接報酬(正確には投げ銭の50%が17ライバー、残りは運営側にようですが...)になるとは驚きです。ネットの世界でのストリート・パフォーマーですね。かなりグレーな「転売ヤー」などと言うのも出てきましたが、これは名称は今風ですが、昔の「ダフ屋」の電子版なので新しい職業とは言えませんね。
 社会保険などでは世代間格差で高齢者に厚いと言われますが、このようなネット・パフォーマーのような職業や報酬の得方は、若い方々が甚だ有利な逆世代間格差だなぁと思うのは年寄りのひがみかもしれません。

2017年12月30日